プリース・クレッフェ priis-chlepfe 2012 Schwyz



ヨーロッパのほぼ中央に位置するスイスは他国に四方
を囲まれた海を持たない国です

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山岳地を利用した放牧農家が今も数多くあり、その中
には建国以前から続くものもあります

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その放牧農民が使っていた牛追いムチは独特な形状を
持ち、スイスの歴史を紹介するアイテムの一つとして
バーゼルの博物館にも展示されています

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今もそのムチを使った伝統行事やコンテストが引き継
がれ毎年行なわれていると聞いて取材してきました

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スイスにはムチを使った昔からの行事がいくつかあるの
ですが、その中でも有名なのがSchwyz(シュウィーツ)と
いう街で行なわれている“Priis-Chlepfe“と呼ばれる
ムチのコンテスト

“Priis-Chlepfe“とはクラッキングコンテストという
意味で、この地で古くから伝わるムチの技術を若い世代
に引き継いで行くことを目的に45年前に開始されたそう
です

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午前10時から受付が開始され11時になるとイベント開始
の挨拶があり、それに続いてSchuler (キッズ部門)が
始まります

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その後Junioren(ジュニア部門)が開催され

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一旦お昼休憩を挟みます

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会場には、ソーセージやホットドック、ワインの売店も
あって休憩の時には列が出来ていました

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午後13:30から、お楽しみのデモンストレーションが行
なわれ、それに続きSenioren(シニア部門)が開始とい
ったプログラム

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なんといっても今大会で一番盛り上がるのがシニア部門
ムチ人口が多い街だけあり、今年の街一番という名誉を
誰が勝ち取るのか気になる人も多く、気温は氷点下で空
には雪が舞う天気の中だというのにそれ見たさに街の多
くの人たちが会場に集まります

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何年もかけて練習し洗練された技と技がぶつかり合うシ
ニアクラスのコンテストもすごかったですが、応援する
人たちの熱気も競技参加者に負けないぐらいのすごい迫
力でした

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コンテストの仕組みと審査について説明すると、

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クラスは

Schuler (キッズ部門) 15才以下

Junioren(ジュニア部門) 16から20才

Senioren(シニア部門) 21才以上

の3つの部門に別れ、全ての部門共通のルーティンで審査
されます

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審査は

四方向を審査員に囲まれた180cm四方のステージ上で競技
参加者は同じルーティンを前向きと後向きに1度ずつの
2回繰り返し

 ・ムチを振るフォーム
 ・ムチの軌道
 ・ムチのサウンド

この3つの審査項目で4人の審査員によって採点されます
そして、その合計スコアからミス回数のペナルティーを
減算したスコアで勝敗を競うわけです

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技術の継承が目的の競技だけあって、いかに基本に忠実
なムチのテクニックを披露できるかという単純な競技な
のですが

単純なものほど奥が深いと言いますか、洗練された技術
とはここまで美しいのかと見とれてしまうほどの精確な
軌道とリズムでした

取材の後、持ち帰ったビデオを家で何度もスロー再生し
てみましたがスローでしか確認できないぐらいのスピー
ドの中でミリ単位のブレしかないムチの綺麗な軌道に再
び驚かされました

次に、参加の条件なのですが

今大会はムチの技術を地元の若い世代に引き継いでいくこ
とを目的としているため、この地区の住民以外はコンテス
トには参加出来ないそうです

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ちなみに参加費は

Schuler (キッズ部門) 15才以下 10フランク
Junioren(ジュニア部門) 16から20才 15フランク
Senioren(シニア部門) 21才以上 20フランク

しかし、デモンストレーションタイムに大会を盛り上げる
という形で参加することは可能らしく、ぜひ日本の協会か
らも参加し盛り上げて欲しいと言われました

今回は日本スポーツウィップ協会の肩書きを背負い今後の
交流を目的とした訪問でもあったので、主催者の人たちか
ら他にも色んな話が聞けましたよ

ムチの歴史や構造、クラッカー(音を鳴らす先端部分)には
何を使っているのか、誰がどうやってムチを作り現在はど
こでそれを手に入れる事ができるのか等のムチの事やここ
には更に古くから伝わるムチの伝統行事があることなど
今回だけでは書ききれないので、これらについてはまた回
を改めて詳しく書こうと思います


こちらのコンテストの主催者からのメッセージがあります

できるだけ多くの人がこの街に足を運び大会を盛り上げて
欲しいです。その時は、ぜひ会場で売っている大会のワッ
ペンを購入し胸につけ応援を楽しみ、想い出にとして心に
焼き付け帰って下さい。今後スイスと日本がさらに交流し
ていけることを願っています

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と温かいメッセージを頂きました

日本でもこんな競技会を開催したいですね
交流と取材を快く受け入れてくれたPriis-Chlepfe実行委員
会の皆さんありがとうございました
そして、日本とスイスのPriis-Chlepfe実行委員会の交流の
手土産にとムチを提供してくれたLOVING CIRCUSさんありが
とうございました

Priis-Chlepfeに関する情報は
公式サイト http://www.priis-chlepfe.ch/ をご覧下さい
ドイツ語のページですが、歴史やムチについての説明など
もあるので興味がある人はぜひ翻訳サイト等を利用して覗
いてみてください

取材 Dio KobayashiRamu Kobayashi